飛騨地方の気候は全般に冷涼で冬季は積雪が多く、標高600メートルの高山市における年平均気温は10.6℃、1日の寒暖差は年間を通じて10℃前後となっています。
飛騨米のおいしさを支える環境の中で一番効果が大きいのはこの「昼夜の寒暖差」です。特に夏場の出穂を終えた稲穂が澱粉を蓄える8月後半から9月中旬にかけては、8月の日中平均気温は33.3℃、夜間平均は21.1℃、9月は日中28℃、夜間は17.7℃まで下がります。標高50メートルの地域と比較して日中平均気温差は約2倍、夜間気温は5℃ほど低い状況です。
田植え時期を遅らせることで出穂を盆過ぎ以降にずらし、涼しい環境で光合成をおこない澱粉を緻密に蓄積する。この工程がお米の美味しさの最終段階を決定しています。
自然環境のほかにも飛騨米のおいしさが向上してきた理由があります。
それは「JAひだ」が2015年から飛騨地域のお米のコンクールとして開催している「飛騨の美味しいお米食味コンクール」、通称「米コンひだ」です。市や県の行政機関も支援に入っており、約500件のエントリーの中から金賞5名、特別優秀賞10名が選ばれます。お米の国際コンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」さながらのレベルの高さで毎年生産者がしのぎを削っています。

