山の国である日本。
日本人はお米をいただいて命を繋いできました。
お米こそ日本人みんなの「ふるさと」です。
岐阜県飛騨地域で、お米を愛し、
日本一美味しいお米づくりを目指して、
「その、一粒のために」
情熱を傾けている米農家の有志チーム
「飛騨高山おいしいお米プロジェクト」
(通称米プロ)。
このウェブサイトは、そのメンバーが、
お米を愛する全ての人に、
お米をもっと美味しく、もっとたくさん、
もっと楽しく食べてもらいたい、
との想いで立ち上げました。
美味しいお米ができるまで
温暖化に伴ってコシヒカリの
栽培適地になっている内陸の高冷地である、
岐阜県飛騨地域。
その地で「日本一美味しいお米づくり」を
目指して、主にコシヒカリを栽培している
私たちのお米作りのポイントをご紹介します。
全国各地で米づくりに取り組む
仲間のみなさん向けの詳しいノウハウもご覧いただけます。
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お米づくりのスタートは
「春」。ではなく「秋」美味しいお米づくりはお米の収穫が終わったすぐ後からはじまります。秋のまだ早いうちに田んぼを耕し、土に稲わらをすき込んで(混ぜて)いきます。この「秋うち」によって土壌中の微生物の働きが活発な間に稲わらの分解が進み、美味しいお米が育つよい土ができます。
米プロmemo メンバー農家のWさんは完熟堆肥を1反(10R)に2トンすき込みます。これによりお米のうま味向上が見込めますが、安定するまでに3年くらいかかります。 この「秋うち」にも人によってそれぞれの工夫があります。
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今年の米作り始動
「春」3〜5月種もみを塩水に浮かべてよい種もみを選別し「苗」づくりを開始。田んぼに肥料をまいて(元肥)、土を掘り起こし(荒掻き)、田んぼ8分目ほどに水を張って、土の表面を平らにします。(代掻き) 田植えの準備もはじまります。
米プロmemo 元肥は有機無機を問わずメーカー指定の50〜70%に抑え、窒素を少なめに。多いと倒れやすくタンパク質の多い(給水を妨げる結果、硬い)お米になります。
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お米の出来を決める「夏」
梅雨前に、田んぼの水を抜いて土を乾かします。この「中干し」により土中に酸素を補給することで、根の活力を高めつつ土中の有害ガスを抜きます。また肥料分である土壌窒素を一時的に抑制し、稲の生育を調節します。
米プロmemo 中干しは稲作管理の中で管理の中でも最も重要なポイント。稲刈り前の水切りでは、お米のタンパク含有量が増加してご飯の「粘り」が低下してお米の食味が大きく低下します。この中干し一つで全てが台無しになることもある、大事な作業です。
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喜びの秋!収穫
1年でいちばん嬉しい時期です。ここでお米の味はもうほぼ決まっています。天気と相談しながら全力で稲刈りです。 昔は鎌で稲を刈って、わらで束ね、稲架にかけ数日乾燥し、脱穀、と大変な手間がかかりましたが、今はコンバインという機械で稲刈りから脱穀までがその日に完了します。それでもたくさんの田んぼを持っている農家は全ての稲刈りに2か月かかることも。
米プロmemo メンバー農家のHさんは、田んぼの30%が出穂した後の一日の平均気温の積算が900℃になる日を目安に、稲刈り日を見極めていきます。
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今年のお米の成績表にそわそわ
10月末、飛騨では地域産のお米のおいしさを競うJAひだ主催「飛騨の美味しいお米食味コンクール」が開催されます。地域内から集まる800点近くのお米の中から、測定機械による一次審査と審査員による二次審査を経て、金賞5点、特別優秀賞10点が選ばれます。
米プロmemo 11月末には国内外最大のお米のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」もあります。ここでも私たちがつくる飛騨コシヒカリは近年「金賞・特別優秀賞」を連続受賞中*。愛情と手間ひまかけて作ったお米が全国トップクラスの味わいと評価されるのは何より嬉しいことです。

今日から味が変わる美味しいごはんの炊き方
美味しいごはんを炊くのは「掛け算」です。
保存、水、研ぎ、浸水、炊き方、
それぞれ全てが正しくできると、
今食べているお米がもっと美味しくなります。
お米をもっと美味しく食べてもらいたい!
という思いで突き詰めてきた、
日本一美味しい炊き方(自称)をご紹介します
(飛騨高山おいしいお米プロジェクト 森本久雄)
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保存は密封&クールに
いきましょう温度と水分の影響を強く受けるお米は、保管方法でも味が変わってきます。
温度が高いほど呼吸が活発化して、成分が消耗され、品質が低下してしまうので、お米を購入したらジップロックやケースなど、密封された容器に移し替えて冷蔵庫の野菜庫などで保管しましょう。
ビニールの米袋のまま保管すると、目に見えない小さな空気穴から庫内の匂いや湿気が入り風味が落ちてしまうので、気をつけてください。 -
できるだけ柔らかいお水で
水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量を硬度といいます。日本の基準では硬度100以上が硬水、以下が軟水になります。クセがなくまろやかな軟水は一般的に料理に適しています。
お米も軟水で炊くのが美味しく、硬度20前後の水はお米の甘さを引き出してくれます。高硬度だと雑味が増します。できるだけ数値の低い軟水を使いましょう。お水の硬度参考- 白神山地(青森県)の湧き水 0.2
- 飛騨高山の水道水 18
- 南アルプス天然水 30
- 京都・大阪 40*
- 東京の水道水 60
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研ぎは最初の水切りが肝心。
軟水で手早くお米は最初に浸した水をよく吸収します。最初の研ぎ水だけでも硬度の低いものを使うのがおすすめです。
- お米をザルに入れてたっぷりの水を注いたボウルにつけます。指を立てて3~4回かき混ぜ、ごみや粉ヌカを取り除きます。汚れた水はすぐに、できる限りよくきって捨てます。グズグズしていると濃いヌカ水をお米が吸い上げます。
- 水を切ったまま指を立てて20回程度かき混ぜ、お米とお米がぶつかる様にしてヌカを落とします。そのあとたっぷりの水を入れ3〜4回かき混ぜ水をきります。これを3回ほど繰り返します。
- 最後にお水を加えながら白いヌカのとぎ汁の残りをすすぎ出します。
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浸水は低温で。
そして炊き上げる研ぎが終わったら、常温で夏場30分、冬場2時間浸水します。夜準備してそのまま置いておくと雑菌の繁殖が懸念されますので、できれば冷蔵庫保管、無理なら適量の氷を入れて炊き上げ時間まで低温が保てるようにしましょう。
炊飯器で長時間浸水した場合には、炊飯の直前にお玉で10回ほどかき混ぜると、底に溜まったデンプンが均一になって炊きあがり時の底のベタつきが防げます。炊き方は、それぞれの炊飯器の方法にしたがって。 -
炊き上がったご飯を保存
炊き上がった後は、高性能な電子ジャーでも保温で保存していると風味が落ちていきますので電源を切りましょう。
炊いたご飯はボウルなどに移しラップをかけて粗熱を取って冷蔵庫で保管します。
保温しておくより冷えたごはんを温めなおししたほうが美味しくいただけます。


飛騨高山おいしいお米
プロジェクトについて
「未来を担う若者たちに安心安全、
美味しい米作りを継承し、飛騨を元気にする」
目指して、2013年に発足。高山稲作友の会、
米・食味分析鑑定コンクール金賞受賞生産者を
中心に、
中心に、市、県、JAのサポートメンバーを交え、
2021年現在19名の会員で活動をしています。
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実績
- 国内外最大のお米のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」において過去22回のうち14回で飛騨のお米が最高賞の金賞を受賞。
- 金賞の中からさらに7点選ばれる「世界最高米」のうち、2018年は6点、2019年は3点、2020年は2点がプロジェクトメンバーの飛騨コシヒカリでした。
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飛騨の環境と米作り
日本ではこの100年間で平均気温が1.07℃上昇しています。この気温上昇はここ15-20年間にとりわけ顕著で、米作りにも大きな影響を与えており、約50年前に生まれた日本人が大好きなお米の王様コシヒカリは、その栽培適地が低地の有名米どころから、内陸の高冷地(岐阜県飛騨地方、長野県北部、群馬県、新潟県南魚沼など)に移行してきていると言われています。
なぜ内陸の高冷地が適しているのか。高冷地は朝晩の寒暖の差が大きく、夏でも夜は涼いため、お米の呼吸が抑えられ、主成分であるでんぷんが消耗されないのです。そのためでんぷんがバウムクーヘンのように重なりながらじっくりと旨味を凝縮しながら育ちます。
飛騨地域はまさに内陸の高冷地で、さらに北アルプスの清らかな水にも恵まれています。そんな地域で愚直にこつこつと働く飛騨人の気質も相まって、歯ごたえと粘り、甘みが豊かな、全国でもトップクラスの美味しいコシヒカリが育ちます。
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その、一粒のために
飛騨高山おいしいお米プロジェクトでは、コシヒカリの栽培に適した飛騨の地で、化学肥料・化学農薬を従来より5割以上削減した特別栽培米を作っています。その中でも食味値*85点以上、味度値*85点以上、合計170*点以上だけ厳選したプレミアムなコシヒカリが、「その、一粒のために」。 年間400俵ほどしか生産されない、貴重なお米です。
- 食味値:お米の美味しさを表す数値。「アミロース」「タンパク質」「水分」「脂肪酸度(玄米)」の4つの成分を測定し、食味方程式により算出されます。
- 味度値:お米の美味しさの正体の一つである、お米を炊く時に米の表面に生成される保水膜の厚みを計測したもの。
- 一般にブランド米と呼ばれるお米の食味値・味度値の合計は概ね150点
- 出荷時にも再検査しています。
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